山のやあまん

やあまんの山歩き 山行記録をメインにポテポテと更新。

220508-10 4年越しのリベンジ蝶ヶ岳。またしても蝶ヶ岳にフラれるのか?

4年前の夏、初めての北アルプステン泊縦走に選んだルートは、槍穂オールスターズの大パノラマを堪能しながら稜線歩きができるという燕-蝶の常念山脈3泊4日。しかしその年の夏は天候不順。結局上に登ってから山の景色を見れたのは初日夕方、燕岳から槍と裏銀座の稜線だけ。残り3日間は、ガスと降雨の中を重いザックを背負ってひたすら歩き続けるという修行ハイクとなった。
天候の善し悪しはしょうがない。しかし心残りは、常念側からの大パノラマ「槍穂オールスターズ」を眺めてみたい。改めて常念側に登る理由ができたとリベンジを楽しみにしていたのだが、コロナの影響もあり4年越しのプランになってしまった。

そしてついにリベンジは、「残雪期の景色を見に行く! 連休後半~連休明けの天気が良さげな数日を狙うべ」。
4月初旬から中期天気予報を連日確認し、当初5/3~5頃は微妙な予報だったので3日に出張予定を入れたのだが、この3日間が絶好の行楽日和「The Days!」となる。出張先の宿でSNSに流れてくる北アの絶景画像を恨めしく眺める。
その後は晴天が続く予報はなく、どこかワンチャンを狙って計画するしかなくなってしまった。曇天が続くけど、9日夜から10日日中に晴れマークが出てきたので、その予報に合わせて計画することにした。春山のつもりで冬用シュラフは持参せず、長塀尾根には少しでも軽い荷物でと。しかしこの時期の高山はまだ冬支度が大切と痛感させられることになるとは・・・。

 

朝の松本行きで、「四季島」とすれ違う。

今回はソロなので、JR利用で上高地入りしてみることにした。高尾駅を6時過ぎ始発の普通松本行きに乗ると、特急の通過待ちなどもなくスムーズに松本駅到着(青春18きっぷみたい<使ったことないけど)。しかも松本バスターミナルから1日2本のみの上高地ライナーという直行バスにもちょうど接続でき、一気に上高地バスタ11:55着。徳澤や横尾で前泊する計画なら、この移動手段アリ。
都心まで逆行して前夜からの夜行バスよりも身体が楽。二人以上なら自家用車で行くけど、下山後にビールを飲めないのが難点w。そしてあずさを使わないので交通費が安い! 高尾在住のメリットを発見した気分!w

 

おなじみの・・・
大型連休最終日の上高地は、思ったほど人がいなかった。

明神では子ザルを抱いた猿が多数。この写真が子ザルを一番よく撮れた。

昨日じゃん。このあたりはクマさんのテリトリーだからねぇ。




大好きなテン場! LOVE徳澤! ガラガラでした~。

日没前に陽が差してきて、明神岳がカッコイイ。
この頃スマホで天気予報を見てみたら、明日は<曇りのち雪>
「えっ?雪? まあ小雪程度でしょう」と高をくくって早寝。

翌朝、きついと評判の長塀尾根に覚悟を決めて入山!
いきなり、きつかったw

どこを踏んでも踏み抜きそう・・・。このトラップをどう渡ればよいのだろう?w
テン泊ザックで雪のない急斜面をヒイヒイ言いながら、10歩進んで15秒休んでカタツムリ歩行で登っていくと徐々に残雪が現れる。斜面は緩やかになる気配なしw

長塀尾根の中間地点まで3時間20分ほどかかってしまった。マジできついルート。さらにこのあたりから雪が舞い始め、「林間部分だからまだ良いけど稜線でたらどうなってるんだろ?」と、気持ちは半分撤退を検討し始める(笑)
翌日山頂で会ったベテランさんが「長塀尾根は地図で見る以上に長くてキツイ」と言っていたが、激しく同意!!!

自分をだましだまし長塀山山頂到着。なんと4時間40分! 中間地点からの1.4kmがとてつもなく長く感じた。登山計画ではザック重量や体力も考え余裕をみてコースタイムの1.2倍で計算したけど、余裕などなく予想通りのペース<すごい。
マップではこの山頂で急登は終わったはずだが、すでに僕の脚も終わってしまったため、この先の軽めのアップダウンも登れないw 5歩進んで20秒休むタニシ歩行しかできない。

この看板を見ても、「さあ、もう少しだ」とポジティブになれない・・・。
「騙されないぞ! まだまだ先はあるんだろ」
途中で「妖精の池」という凍った水たまりの脇を通過して山頂を目指す(写真撮る元気なかった)

そして、やっと、6時間弱かけて、ついに、雪の降りしきる蝶ヶ岳山頂到着!

ガスって、雪降って、穂高なんて見えなかった・・・。
またも蝶ヶ岳にフラれてしまった!?
とにかくテント張って、温かいもの飲もう。このテン場は稜線なので、強風・突風で有名らしい。前回設営した時突風でテントを飛ばされて、空飛ぶテントを追いかけて斜面を駆け下りたw<無事回収できたから笑い話だけど、マジでヤバかった
前住人がハイマツの陰で雪壁も作った防風対策万全の空き地を見つけてテント設営。この場所に設営できたので、のちの暴風でも耐えれたと思う。この日のテン泊は2張。

設営を終えて、蝶ヶ岳ヒュッテにテン泊受付へ。ランチタイムに間に合うようだったのでオーダーしたら、ストーブを点けてくれた。濡れたウィンドブレーカーなどを少し乾かせて大感謝!でもスリッパがないので床板が冷たくて、身体はあまり暖まらなかったw

食べかけの画像だけど、ランチの角煮丼が美味しかった。バテバテの身体に栄養補給。休憩を終えてテン場に向かう頃から暴風雪が始まった。青森の地吹雪地帯かよw。もうテント内で雪雲をやり過ごすしかないので、持ってきた衣類を全部着て、シュラフに籠って夕方の天候回復を待つ。暴風できしむテントでフライの雪落としをせっせとやりながら、今は5月の連休だよな…と雪山登山の様相にビックリしてるw

予報通り17時過ぎに雪はおさまり(風は続いてたが)、一度外に出てみたら、4時間ほどで雪山になってたw 吹き溜まりでひざ下くらいまで積もってる。
19時過ぎに風もおさまり星空も見えてきたけど、今度は放射冷却w ここまでの寒さ対策をしてこなかったので、湯たんぽ作ったり、手袋・キャップしてシュラフに包まったり、できる防寒対策をすべて行ったけど、夜は寒くて熟睡できなかった。重くても冬用シュラフにしておけばよかったと一晩中悔やんだ(笑)。
深夜テント内で-6.7℃だったので、外気温はもっと冷えてたはず。繰り返すが、GW明けの5月です。北アなどの高山では連休明けも冬の気候になると聞いていたけど、自分が経験するとは思わなかった。

寒くて熟睡できなかったので、日の出前の4時過ぎに外へ出てみると、雲海と朝焼けが始まっていた。

振り返ると新雪をまとった槍穂がドーンと広がっていた。

見たかった穂高の大パノラマ(新雪つきw)

2度もフラれたけど、やっと蝶ヶ岳が歓迎してくれた朝だった。
なんとツンデレなお蝶さまだろうか?(笑)

そして、日の出。

穂高のモルゲンロートが始まる。

槍、南岳も朝日を浴びて。

【動画】

 
 
 
 
 
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吹雪と寒さを乗り越えて、念願の景色を堪能してる至福の表情w
還暦のお祝いw

うれしくて、しつこくオヤジの自撮り2

三脚も背負ってきたので、しつこくオヤジの自撮り3

ごめんなさい、本当にこれで最後です。しつこくオヤジの自撮り4

凍り付いて頑張ったテントも朝日を浴びて溶け始める

グローブも水も凍ってたけど、テント内の結露が霜になって降ってくるのはいつ以来だろう。北国出身だけどすっかり忘れてた。

すぐに帰りたくないのでゆっくり撤収を始めて、この稜線を歩いて横尾へ下山。

モフモフの新雪歩きをこの時期に楽しめるとは・・・

稜線から横尾への林間。新雪でトレースが薄くなってしまい、ルーファイができないので、一緒にテン泊していたベテラン風の女性の方の足跡を追って下山させてもらった。彼女のトレースがなければ、GPS片手に下山に時間がかかってしまったでしょう。

下山途中のベンチから。このあたりで槍は見納めかな。

名残惜しかったけど、無事横尾に下山。

冬山に一転したり、やっと堪能できた大パノラマだったり、新雪モフモフの稜線歩きだったり、夢のような時間だった。

【おまけ動画】
注意!! ベルの音が鳴るよっ!

 
 
 
 
 
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